自作パソコンすら作ったことない私が、マイニング専用マシン(マイニングリグ)を作って稼働をさせています。
今回はマイニングとは何か、また私がマイニングに使ったパーツ(グラボなど)は何かを解説していきます。
目次
マイニングとは

仮想通貨の取引の際、過去の取引データから不正がないかをチェックします。この際に使用されるのがブロックチェーンと言われる技術です。取引をしたら膨大なデータを更新、また新たに取引があれば再度読み込み確認→データ更新を繰り返すので大変なパソコンの性能が必要となります。
この時に使われるのがブロックチェーンという技術で、世界にいるマイナーと呼ばれる人々のパソコンを使用して演算処理を行います。これをマイニングと言います。
マイニングのメリット
- マイニング成功で報酬が貰える
- 一度完成させればあまり手間がかからない
マイニングが成功すれば報酬が貰えることです。※マイニングは一番最初に演算が終わった人へ報酬が支払われるシステムです。
また温度管理などは必要となりますが、一度設置すれば基本的には触る心配がなく手間なく投資ができるのがメリットだと思います。
マイニングに必要なもの
- パソコン(マイニングリグ)
- ネット環境
- マイニングソフト(OS・プール)
- 報酬を受け取る口座(ウォレット)
こちらの4つが必要になります。具体的に何が必要かを紹介します。
マイニングリグに必要なもの
- マザーボード
- CPU
- メモリ
- グラフィックボード ← ここが重要
- ライザーケーブル
- 電源ユニット ← ここも重要
- SSD(USBタイプでも可)
- フレーム(リグ専用もあり)
- 各ケーブル
- 冷却用のアイテム
- 電気使用量を測るもの(電力チェッカー)
- OS
通常の自作パソコンを作るときに必要なパーツとほぼ同じだそうです。マイニングリグのためにグラフィックボードや冷却用アイテム、電力チェッカーなどを用意しています。
今回行うマイニングは消費電力と性能を比較して効率が良いグラフィックボードが特に重要です。後に詳しく解説するので、実際に購入したパーツを見せながら紹介していきます。
マザーボードとは?
パソコンの基盤となるパーツで、各パーツをマザーボードに取り付けて完成させます。

マイニングリグに適しているマザーボードは、PCIeスロットと言われるグラフィックボードを多く挿せるものが必要となります。※今回購入したものは6つの差込口があり、最大6台のグラフィックボードが挿せます。
それ以外で気にする点はUSB3.2が搭載されているマザーボードが良いかなと思います。「SSD」の部分で詳しく説明しますが、USB2.0だとマイニングリグ自体の起動が遅くなりマイニングに影響がある可能性があるからです。
CPUとは?
パソコンの頭脳部分で、性能が良いもの程処理スピードが上がります。

マイニングリグのCPUは安いもので十分です。ただしマザーボードとの相性が必要で、適当に買ってしまっては取り付けができない場合があります。マザーボードのメーカーが取り付け可能なCPU一覧を掲載しているので、そちらで確認してから購入しましょう。※「〇〇(マザーボードのメーカと品名) 対応CPU」とかでググればすぐに出ます。
メモリとは?
データを一時的に記憶するパーツで、ギガ数が大きければ大きいほど動作スピードが速くなります。

マイニングリグのメモリも安いもので十分です。今回はDDR4の8GBを準備しましたが、4GBでも十分だと思います。
現代ではDDR4という種類が主流だと思うのでDDR4を買えば大丈夫だと思いますが、マザーボードにさせる規格のメモリを準備しましょう。
グラフィックボード(GPU)とは?
映像を映し出すパーツだが、通常のパソコンの場合このパーツがなくても映像は映ります。ただグラフィックボードを付けるとより綺麗な映像を映したり映像の表示速度が上がるので、パソコンでゲームをする人にも人気なパーツです。

今回の最重要パーツであるグラフィックボードです。写真では1つのみですが、実際には5つ準備しています。※PCIeスロットは6つありますが、熱と電源の関係でマイニングリグ1台につきグラフィックボード5つとしています。
マイニングリグの場合24時間稼働することになるので、省エネで性能の良いグラフィックボードが必要です。
マイニングする能力をハッシュレート(1秒あたりどのくらいマイニングするか)という言葉で表すのですが、一番高価で最新のグラフィックボードが当然ハッシュレートが高くなります。
今回私は最高性能ではないものの、予算内で購入が可能でハッシュレートも悪くない数値を出している「RTX3080」というグラフィックボードを5つ購入しております。
RTX3080より安いRTX3060TiやRTX3070なども良いと思いますが、消費電力+マイニングリグ購入費をなるべく早く回収するのを目的としてRTX3080を購入しました。※RTX3090もマイニングに向いていると言われていますが、初めてマイニングするので少しでも安いRTX3080にしました。
ただ問題が2つ・・・
- 発熱が凄い
- ファンの音がうるさい
高性能なGPUほど発熱が凄くて、日本の夏ではエアコンや扇風機などでグラボ自体を冷やす必要があります。※解体してサーマルパッドというものを取り付ければさらに冷やせるらしいですが、メーカー保証もなくなるし怖いのでしてません。
私の場合、エアコンを付けっぱなしにしてサーキュレーターを当てて風通しを良くしてなんとか冷やせています。
ただグラフィックボード自体のファンが付いているのですが、これがそこそこな音がします。どのくらいかというと・・・部屋の扉を開けてたら誰かがドライヤー使ってるかなくらいです。それが24時間365日している感じです。
音に敏感な人は部屋を閉め切って、音漏れしないように対策が必要かもしれません。それか性能が少し劣るグラフィックボードを購入して稼働させるのも手だと思います。
ライザーケーブルとは?
グラフィックボードとマザーボードをつなぐコードです。基本的にグラフィックボードはマザーボードに直接さすことができるのですが、5台挿すとなるとスペースが足りないのでライザーケーブルを使用することになります。PCIeスロットの大きさによって大きいのや小さいのがあるので、購入する時注意が必要です。

グラフィックボードとマザーボードをつなぐためのケーブルで、PCIeスロットの大きさによって別々に準備が必要です。※私の用意したマザーボードの場合、大きいPCIeスロットが2つ、小さいPCIeスロットが4つあります。
写真では小さいライザーケーブルのみ載せています。
電源ユニット
マザーボードやグラフィックボードなどをつなぎます。この電源ユニットからコンセントがでています。

電源ユニットは消費電力量(ワット数)が重要になります。またケーブルを挿せる量にも注意が必要で、マイニングを行うグラフィックボードの数によって準備が必要です。※私の場合電源ユニットはメイン・サブの2個を用意しました。
SSD (USBタイプでも可)
マイニングリグもOSがないと動かすのは難しいので、OSを入れるために準備が必要です。USBメモリで良いと書いてあるサイトが多かったのですが、正直起動が遅くて使い物になりません。

120GBのポータブルSSD(USB3.1【Gen1】対応)を購入しました。こちらにマイニング専用のOSである「HiveOS」を入れています。
USBメモリに比べ転送速度が体感で分かるくらい違います。HDD(ハードディスク)と比べると更に違う気がします。
処理スピードが重要なマイニングではここもケチらずにSSDの使用をオススメしたいです。
フレーム(マイニング専用もあり)
各パーツを置くための棚のようなものです。マイニングリグ専用のものを購入してみましたが、絶対に必要ではなくスチールラックでも大丈夫です。

今回はお試しでマイニングリグ専用のフレームを購入しました。ただ正直に言うとニトリとかに売っているスチールラックで良かったかなと思います。
私の手の不器用さもあるし、初めて組み立てたので緊張もあったのですが狭くて各ケーブルが取り付けしにくいです。スチールラックの方が安いし大きいので、スマートに収めたいなど考えなければスチールラックの方がよかったです。
各ケーブル
マザーボードと各パーツ、電源ユニットと各パーツをつなぐケーブルが必要になります。また通常のパソコンとは違いむき出しの状態なので、電源を入れるスイッチやエラー音確認のためのスピーカーも準備しました。
グラフィックボードは補助電源が必要で今回のRTX3080の場合は8ピンが2~3本必要となります。電源ユニットに入っている分で足りない場合は、8ピン→6ピン2つにする変換ケーブルなど相違工夫が必要となります。※詳しくは組立の説明する際に。
私も1回ではパーツが揃わず、Amazonやパソコンのパーツを取り扱いしている店舗へ確認に行きました。
冷却用のアイテム
マイニングを行うとグラフィックボードの温度がかなり高くなります。その熱を逃がすためにエアコンを付けるのですが、それでは日本の夏を乗り切ることはできません。熱を逃がすためにファンやサーキュレーターは最低限必要となります。その他にも分解してサーマルパッドの交換を行ったり、ヒートシンクと言われる鉄板のようなものを貼ることでも対策が可能です。ただし分解する場合には補償の対象外となるので注意が必要そうです。
ネット環境
マイニングはインターネットを介して行うので、当然インターネット回線が必要となります。24時間接続をするのでポケットWi-FiやWiMAXなどはオススメできません。通信量制限のない光回線がベストです。
マイニングソフト(OS・プール)
次はソフトウェア系を見ていきましょう。
OS
パソコンを動かすのでOS(Windows10など)が必要となります。SSDのところで挙げましたが、4台まで無料で使え(条件あり:hiveon poolを使用)スマホアプリでも管理が可能なHiveOSを採用しました。他にもWindows10でNiceHash Minerを使ってマイニングも可能です。
マイニングプール
マイニングのやり方は3種類あり、
- ソロマイニング(大規模で資金が必要)
- プールマイニング(他人と協力してマイニングするため小規模ならこれ)
- クラウドマイニング(マイニング業者に投資する)
があります。
ソロマイニングはマイニング専用の施設を建てて大規模にマイニングを行うレベルであり、それ相応の資金が必要となります。はっきり言って個人でソロマイニングできる人は限られていると思います。
クラウドマイニングは何も自分では準備をせずに、マイニング業者に投資をするというものです。以前詐欺を行っていた業者などがいるようです。これはマイニングってよりは、投資先がマイニング業者って感じですね。
現状小規模でマイニングを行う場合は、プールマイニングが主流となっています。プールマイニングはプールに参加しているマイナーが協力をしてマイニングを行うことにより、ある程度安定して報酬を得ることができます。
今回私はHiveon poolを選択しました。HiveOSを使っているので、必然的にそうなったというのが正しいのかもですが・・・。HiveOSを使用する際にhiveon pool以外を使用したら無料ではなくなるのもhiveon poolを使っている理由の1つです。
ウォレット
マイニングの報酬を受け取る財布の事です。株式や投資信託をする際の証券口座のようなものです。
マイニングの報酬は仮想通貨(ビットコインやイーサリアムなど)で受け取るので、仮想通貨専用の口座(ウォレット)が必要となります。私はマイニングの報酬を日本円に換えたいので、日本の取引所が運営しているウォレットを登録しています。
日本の取引所でウォレットサービスを行っているのは、GMOコイン・bitbank・bitFlyer・coincheckなどです。
まとめ
今回はマイニングする際に必要なものを解説しました。準備するものだけでもこんなに多くのものが必要ということが分かります。
パソコンは私のように専用のマシンを作らなくても、グラフィックボードがあれば通常のパソコン(箱に入っているやつ)でもマイニングは可能です。
次は組立方法について解説していこうと思いますので、興味ある方はぜひ読んでみてくださいね。