これまでマイニングをグラボでやってきた私は、ついにハードルの高そうなASICマイニングをやってみようと思いネットでASICを検索。
なんとかASICを購入ができたので、ASICマイニングとGPUマイニングを色んな面から比較したいと思います。
目次
ASIC(えーしっく)とは?
そもそもASICとは何かを解説する必要がありますね。
ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略で、電子部品の種別の1つであり特定の用途向けに複数機能の回路を1つにまとめた集積回路の総称の事です。
難しく説明するとこのようになりますが、特定の用途専用に作られたICチップを搭載したマシンがASICになります。
ASICのメリット
- 手間が少ない
この2点だと思います。
完成品として販売をされているので、電源ユニットとASIC本体を繋いでLANケーブルと電源ケーブルを挿すだけで稼働します。マザーボードを用意して接続して・・・とGPUマイニングでは手間だった組み立て作業がほぼ不要となり手間が少ないのがメリットです。
ASICのデメリット
もちろんデメリットも存在します。
- 専用マシンなので他に使い道がない
- うるさい
まずこのマシンですがマイニングをやめたら全く役に立ちません。
GPUマイニングの場合、グラボをゲーミングPC用に使用したりは出来ます。また余ったグラボはメルカリやヤフオクなどに出品してもマイニング目的以外の人にも売れる可能性があります。
ですがASICマシンの場合、マイニング以外に用途がないので売ることがむずかしいです。
最大のデメリットはファンの音がうるさいことです。私が使用しているASICマシンは比較的うるさくないマシンなのですが、それでもドライヤーを強にした時の音がずっと響いています。音に敏感な人はつらいと思います。
GPUマイニングとASICマイニングの違い
定番であるGPUマイニングと、今回チャレンジしたASICマイニングの違いはこのようになります。※個人的見解が含まれます。
GPUマイニング | ASICマイニング | |
導入のハードル | 〇(手持ちのパソコンでも可能) | ×(本体の購入からハードルが高い) |
マシンの製作 | △(1から組み立てるには知識がないと難しいが グラボが搭載されたものを購入してもOK) | 〇(何もする必要がない) |
初期費用 | △(グラボの台数によります <数万~百何十万くらい> ) | △(マシンによります<数万~百何十万くらい>) |
消費電力 | △(グラボの台数によります<5台で1,200Wくらいです>) | △(性能によっては3,000W超えるものも) |
音 | △(生活には支障ないですがパソコンがフル回転している音がします) | ×(生活できないことはないですがうるさいです) |
温度管理 | ×(温度が上がりやすいので細かい管理が必要です) | 〇(専用マシンのためGPUより管理は楽です) |
初期設定 | 〇(日本語で解説されているサイトもある) | ×(初期設定は英語ばかりで難しい) |
稼働後の手間 | ×(温度管理・オーバークロックの手間などあり) | 〇(オーバークロックの設定も簡単) |
マイニング以外の用途 | 〇(ゲームPCなどに利用可能) | ×(マイニング以外用途なし) |
GPUもASICも選ぶ機種によって内容が変わりますが、「導入しやすいが管理が大変なGPU」と「導入にハードルは高いが管理が楽なASIC」にわかれると思います。
なぜASICマイニングを始めたのか
導入が難しいASICマイニングを始めた理由は、
- 分散投資のため
- ASICマシンへの興味
この2点です。
GPUマイニングではどうしてもイーサリアムという仮想通貨に頼りがちですが、イーサリアム2.0が実施された場合にマイニングが不可能となります。なのでどうせなら仮想通貨の中では安定しているビットコインのマイニングをASICマシンで始めようと思ったのです。
あとGPUと比べて効率などを実際に稼働させて調べてみたいと思った点もありました。
また探していたAntminer L3+というASICマシンが手に入ったことも始めたきっかけになります。
マシンごとの性能や利益など
同じマシンではないので比較は非常に難しいですが、私が準備したGPUマイニングマシンとASICマイニングマシンで説明をします。
性能・価格
GPUマイニングマシン
[nlink url=”https://kurisetu.jp/preparing-the-mining-rig/”]
こちらの記事でも説明しましたが、RTX3080というグラボを1リグにつき5台稼働させています。グラボのメーカーについては、MSI・ASUSになります。
他の必要なパーツはパソコンパーツを販売している専門店やAmazonなどで購入をしています。総額でいうと100万円以上はかかっています。どうしてもRTX3080のグラボが高価なのでほぼこの金額で占めている感じです。
また夏場に始めたのでエアコンを付けた状態で、サーキュレーター3台で熱を逃がしている状態です。
ASICマイニング

今回ASICマイニングに選んだ機種は、「Antminer L3+」という機種です。まだ手を出せる価格(約12万円くらい)とイーサリアム以外を掘れるアルゴリズム(ドージコイン・ライトコインが対象)だったことです。※左奥に写っている「BITMAIN」と書かれた汚いのは専用の電源ユニットになります。
前後にファンが付いていてドライヤーのような風量と音を出して稼働します。そのおかげかGPUほど温度管理は必要ありません。
消費電力(マシンのみ)
GPUマイニングマシンの場合
1リグ当たり1207W~1210Wを消費しています。多めの1210Wで換算すると・・・
((1210W/1000) × 24h) / 5台 = 5.808kW となり、1kWあたり22円で換算すると5.808kW × 22円 = 1日当たり約128円がマシンの電気代としてかかることになります。
ASICマイニングマシンの場合
1台当たり780Wを消費しているので・・・
((780W/1000) × 24h) = 18.72kW となり、1kWあたり22円で換算すると18.72kW × 22円 = 1日当たり約412円がマシンの電気代としてかかることになります。
1日の消費電力が少ないのはGPUマイニングマシンという事が分かります。
マイニングによる利益
最後に1日平均でいくら稼いでいるのかを発表します。
GPUマイニングマシンの場合
1日平均550円くらいです。夏場で温度が上がっており、少し抑え気味にしています。
単純に電気代を差し引くと「550円 – 128円 = 422円」の利益となります。
ASICマイニングマシンの場合
1日平均810円くらいです。
単純に電気代を差し引くと「810円 – 412円 = 388円」の利益となります。
マシンの消費電力とマイニングの利益を引いても、GPUマイニングマシンが勝っていました。
GPUマイニングの方が良い?
マイニングの利益とマシン本体の消費電力だけ見ればGPUマイニングが良いですね。私は1リグに5台のグラボを稼働させてマイニングをしているので特殊ですが、通常はゲームPCとして、ゲームをしていない時はGPUマイニングマシンとして使用したら多少の稼ぎはあると思います。
他への応用力やマシン単体の消費電力量の少なさがGPUマイニングの魅力でもありますね。
まとめ
ASICはダメ?GPUがベストの選択?
GPUを褒めてきましたが、ASICも決して悪いわけではありません。管理の簡単さは圧倒的にASICマイニングなのです。
私は本格的に資金を導入してやっているので細かく管理をすることができますが、片手間でマイニングをしたい人は管理が簡単なASICの方がいいです。両方稼働させている私だから分かりますが、GPUの手間が10だとすると、ASICの手間は1か2くらいです。専用マシンだけあって、本当に楽です。
「導入しやすいが管理が大変なGPU」と「導入にハードルは高いが管理が楽なASIC」 だと思います。※2回目です。
お好きな方を選んでいただけたらと思います。
次回は実際にASICを導入する方法について解説を行いたいと思います。
ASICに少しでも興味を持った方はぜひ次の記事も見てくださいね。